煎茶はどこまでおいしくなるのか

茶茶の間の煎茶
『秋津島』
CHACHANOMA AKITSUSHIMA

● 品種:やぶきた      
● 採取:手摘み       
● 産地:静岡県静岡市葵区   
● 茶種:煎茶 
○ Tea cultivars:Yabukita
○Picking:Hand picking
○Tea grown region:Shizuoka
○Type:Sencha


◇ 特徴 ◇
どこまでも力強いお茶

Characteristics of this tea
Refreshing tea leaf aroma and gentle sweetness


◇ おすすめのシチュエーション ◇
背筋を伸ばしたい時

Recommended situations
When you want to spend a peaceful time with tea
When you want to refresh comfortably



◇ 商品紹介 ◇
秋津島は茶茶の間でまず経験していただきたいお茶。
茶茶の間を代表するお茶がこの秋津島です。

自然が与えてくれる環境と、人の手間を尽くして作り上げるお茶です。
畑は人里離れた山の上にあります。
これはお茶によい場所を選んで山を開き、そこに畑を作ったためです。
季節によってはカモシカが茶畑に入ってしまうため、できるだけ山に入って人の気配をつけないといけません。
山を下る風が常に優しく抜ける南向きの斜面、標高差50メートルほどの間に茶畑が広がっています。
お茶の品種は日本で最も普及している「やぶきた」。
「やぶきた」という普段から味わっているお茶に手間をかけてどれくらいおいしくなるか、に挑戦した畑です。

標高の高い畑のお茶は日照や気候の関係で香りが引き立ちます。

冬場には冷えた空気と時によっては雪が積もるなかでお茶は休眠し、じっと春を待ちます。
カラリとかわいた茶葉の雰囲気、力強く春を待つお茶からは人の手による芯の太さを感じます。
冬場に雪が積もるほどの冷え込みはお茶には少し厳しい寒さですが、しっかりと手をかけることで健康な畑が維持されます。
また周りの畑と比べて寒いことで、摘採の時期が遅れることで摘み手さんをしっかりと確保することもできます。
お茶の手入れには毎回車を降りてから20分ほどかけて山を登ります。

この畑では一番茶を摘み取った後に切り戻す枝や茶葉はすべて畑に返します。
二番茶にすることもできるのですが、こうすることで翌年のお茶の栄養になり、またよいお茶ができるサイクルになります。
一年に一度摘み取りをするためだけに、一年をかけて育てます。
春になると畑の下のほうから順番に芽吹いていきます。
お茶に良い環境、自然と、人が一年をかけて作り上げる芸術品のようなお茶です。

味わいの特徴は透明感と爽やかな香りの印象です。
やぶきたの品種の香りも感じられますが、育成環境とそれを損なわずに作ったことによる芳醇な香りが引き立ちます。
味わいには雑味がなく、澄んだ味わいが余韻まで統一感をもってのびやかに広がります。
奥に広がる味わい、他に変わりのない香り。

味わいというよりもお茶を飲んだ感覚に耳を澄ませてみてください。
こんな感覚を体にもたらしてくれるものがあって、それがお茶、一つの畑で作られたお茶でも可能なのか、と感じられることでしょう。
上質なワインや蒸留酒にも引けを取らない味わいがあります。

現代の技術と積み重ねられた知識、そして自然の営みによって至ったお茶のひとつの頂点をぜひ体験してみください。